心理学とは;引きこもり
前回、心理学の観点からうつ病についてご紹介しました。今回もうつ病に関わる「引きこもり」について考えてみましょう。
2008年度の東京都の調査によると、「引きこもり」の7割以上が男性だそうです。そういえば、引きこもりが話題になる場合には男性ばかりが取り上げられますよね。なぜ男性は引きこもるのか、なぜ女性は引きこもらないのか、ということを心理学的見地から紐解いてみましょう。
引きこもるのも結構なプレッシャーを感じるはずです。なぜなら、世間から「引きこもり」だと思われてしまうから。それなのに引きこもるのは、引きこもらない日常生活よりも、まだ引きこもりのほうがマシだと感じているからではないでしょうか。男性にとっては、外の世界のプレッシャーが女性よりも大きいと考えられます。
例えば、「フリーターやニートだと結婚できない」と考える女性は少ないと思いますが、男性の場合は殆どの場合「結婚できない」と考える(感じる)でしょう。男性は外の世界で働いて稼いでくるのが当たり前という社会通念が支配しており、男性に大きなプレッシャーを与えていると考えられます。
こうした社会通念には、「プロポーズは男性がすべき」、「いざという時には男性がリーダーシップを発揮するべき」、「有事の際は女子どもを優先的に保護すべき」などということも挙げられます。
また、人前で堂々としゃべれない女性は「奥ゆかしい」、「おとなしい」と言われますが、男性だと「頼りない」、「しっかりしていない」と思われるなど様々なプレッシャーがあるのです。こうしたことからも、引きこもりたくなる男性が女性より多いのは当然だと考えられます。